「野菜・豆腐・卵」をおいしく冷凍する方法
「野菜や卵」の冷凍のポイント
「野菜や卵」など、食材のなかには、冷凍すると組織が変化し、解凍しても元に戻らず、味や食感が変わってしまうものがあります。ただし、下処理を行うことで冷凍が上手にできます。まずは、以下の冷凍のポイントをおさえておきましょう。
「野菜や卵」の冷凍のポイント
1.野菜は下処理して冷凍
そのままでは冷凍に向かない野菜でも、下処理をすることで上手に冷凍できます。
2.卵は溶きほぐしや調理の状態で冷凍
卵は、溶きほぐした状態や調理した状態で冷凍できます。
「野菜」の冷凍テクニック
「野菜」のなかでもレタス・キャベツ・キュウリ・大根・ジャガ芋などは、そのままでは冷凍に向きません。しかし、下処理をすれば上手に冷凍できるようになります。ここでは、各食材に合わせた下処理と解凍方法についてご紹介します。
青菜類(ホウレン草、小松菜など)
<冷凍>
サッとゆでてから水気を切り、適当な大きさに切ってから小分けにし、ラップで包み金属製トレイに並べて冷凍室へ。凍ったら、ラップで包んだままジッパー付き保存バッグに移して冷凍保存します。
<解凍>
おひたしや炒めものには電子レンジで半解凍、スープなどの場合は凍ったまま加熱調理しましょう。
<保存期間の目安>
2週間
カブ
<冷凍>
まず、葉と実を切り分けます。実は使いやすい大きさに切って、葉はサッとゆでてから水気をきり、汁物や炒め物に使いやすい大きさに切ります。どちらもラップに包んで小分けしてからジッパー付き保存バッグに入れて冷凍しましょう。
<解凍>
凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
キャベツ・白菜
<冷凍>
「細切りにしてゆでたもの」、または「塩もみしてから水気を切ったもの」を小分けにしてラップで包み、金属製トレイにそのまま並べて冷凍室へ。凍ったら、ジッパー付き保存バッグに移して冷凍保存します。
<解凍>
凍ったまま加熱調理するか、塩もみしたものをサラダに使う時は自然解凍します。
<保存期間の目安>
2週間
キュウリ
<冷凍>
輪切りにしたキュウリに塩をまぶしてよくもみます。しばらくおいて、水気を切ってから小分けにしてラップで包み、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
自然解凍してから調理します。
<保存期間の目安>
3〜4週間
ゴボウ・レンコン
<冷凍>
ゴボウはささがき、レンコンは輪切りなど使いやすいカタチにし、酢を加えた水に入れて弱火でゆで、ザルに上げて冷まします。そのあと、クッキングペーパーでよく水気を取って、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
シイタケ
<冷凍>
石づきをとり、そのまま切らずにジッパー付き保存バッグに移して冷凍保存します。
<解凍>
自然解凍、または炒めもの・汁物・煮物には凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
シメジ
<冷凍>
根元を切り落とし、使いやすく小房に分けて、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
ジャガ芋
<冷凍>
ジャガ芋はマッシュポテトにして冷凍しましょう。丸ごとゆでて皮をむき、つぶしてから冷まします。冷めたら、ジッパー付き保存バッグに薄く平らに詰めて、冷凍します。
<解凍>
自然解凍するか、電子レンジで解凍します。
<保存期間の目安>
2週間
大根
<冷凍>
大根をすりおろしてクッキングペーパーに包んで水気を切ります。ラップに薄く伸ばして小分けにして包み、さらにジッパー付き保存バッグに入れるか、保存容器に入れて冷凍しましょう。
<解凍>
自然解凍、または電子レンジで解凍します。
<保存期間の目安>
2週間
玉ネギ
<冷凍>
みじん切りか薄切りにして炒めてから冷まし、ジッパー付き保存バッグに薄く平らに入れて冷凍します。
<解凍>
自然解凍、または凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
トマト・プチトマト
<冷凍>
冷凍したものは生では食べられませんが、トマトソースや煮込み料理に使うことができます。皮を湯むきし(皮に切込みを入れて熱湯につけ、めくれてきた皮をむく)、ざく切りにして種を取ります。プチトマトはヘタのみを取り除いて、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
長ネギ・ニラ
<冷凍>
よく洗い、3~4cmの長さに切り、クッキングペーパーでよく水気を取って、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
汁ものや鍋もの、炒めものに凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
パセリ・バジル
<冷凍>
よく洗い、軸だけ切ってクッキングペーパーでよく水気を取り、ジッパーつき保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
凍ったまま刻んで使います。
<保存期間の目安>
2週間
万能ネギの冷凍
<冷凍>
よく洗い、クッキングペーパーでよく水気を取って小口切りにし、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
汁ものなどは凍ったまま加熱調理、薬味に使う場合は自然解凍します。
<保存期間の目安>
2週間
ピーマン・インゲン・ニンジン・かぼちゃ・絹さや
<冷凍>
使いやすい大きさに切ってから、やや固めの状態にゆでます(かぼちゃは水から5~6分、ニンジン、インゲンは沸騰した湯に数分、ピーマン、絹さやは1分)。ザルに上げて冷ましてからクッキングペーパーでよく水気を切って、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。
<解凍>
凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
ブロッコリー・カリフラワー
<冷凍>
小房に切り分けてから下ゆでをします。次に、水気をしっかり切り、ラップを敷いた金属製トレイにそのまま並べて上からラップもかけて冷凍室へ入れます。凍ったら、ジッパー付き保存バッグに移して冷凍保存します。
<解凍>
凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
ヤマイモ・とろろ芋
<冷凍>
皮をむいて酢水につけてからすりおろして、ジッパー付き保存バッグに入れ、薄く伸ばして冷凍保存します。
<解凍>
自然解凍させて使います。
<保存期間の目安>
2週間
ユズ・レモン
<冷凍>
皮と汁に分けて保存します。皮をよく洗い、ピーラーなどで皮をむき、細切りにします。クッキングペーパーでよく水気を取って、ジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。汁は絞ってジッパー付き保存バッグに入れて、空気を抜くようにして薄く伸ばしてから冷凍します。
<解凍>
自然解凍させて使います。
<保存期間の目安>
2週間
レタス
<冷凍>
洗ってペーパータオルで拭いて水気をよく取り、食べやすい大きさに手でちぎってジッパー付き保存バッグに入れて冷凍します。チャーハンやスープなど、加熱調理にのみ使用するようにしてください。
<解凍>
凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
2週間
野菜の冷凍テクニック「応用編」
野菜の冷凍や解凍を効率良く行うため、以下のような「応用編」テクニックも活用してみましょう。
1.ゴボウやレンコンはまとめて下ごしらえ
ゴボウやレンコンは下ごしらえが大変ですが、保存する分もまとめて下ごしらえをしておくと、次に使う時手間が省けてとても便利です。
2.ジャガ芋を簡単にマッシュポテトにする方法
ジャガ芋は冷凍する時にマッシュポテトにします。ジッパー付き保存バッグに皮をむいたジャガ芋を入れて口を一部開けて閉じ、バッグの上にふきんやクッキングペーパーなどをのせて、上から棒などでたたいてつぶすと簡単につぶせます。冷ましてから平らにして空気を抜くようにジッパーを閉めなおせば、そのまま冷凍できます。
3.長ネギやニラは便利なバラバラ冷凍
長ネギやニラを切ってから冷凍する時、クッキングペーパーでよく水気を切れば1切れ1切れバラバラに凍るので、使いたい分だけ取り出せます。
4.刻みパセリはもんでつくる
パセリを凍った状態で冷凍庫から取り出してバッグの上からもむだけで、細かな刻みパセリをつくることもできます。
5.かたまった万能ネギはふってほぐす
冷凍した万能ネギがところどころかたまりになっていたら、バッグの中に空気を入れ、よくふるとバラバラにすることができます。バラバラにほぐれたら、再度空気を抜いてジッパーを閉じ、冷凍保存します。
「豆腐・コンニャク」の冷凍テクニック
豆腐は冷凍すると水分が抜けるので冷凍には向きません。またコンニャクは組織が壊れてしまい、解凍するとスポンジ状になってしまいます。豆腐やコンニャクは元の状態には戻りませんが、「凍り豆腐」「凍りコンニャク」というカタチで味わうことができます。
豆腐・コンニャク
<冷凍>
豆腐やコンニャクは、水気をふき取り、厚さ約1cmに切ります。ラップを敷いた金属製トレイに、1枚ずつバラバラにおいて上からラップをかけて冷凍庫へ入れます。凍ったら、ジッパー付き保存バッグに移して冷凍保存します。
<解凍>
そのまま加熱調理(煮ものや炒り煮など)に使えます。
<保存期間の目安>
4週間
「卵」の冷凍テクニック
「卵」は冷凍に向いていませんが、「全卵を溶きほぐす」か「卵白だけ」にすれば冷凍できます。また、「いり卵」や「錦糸卵」などにしてから冷凍すると、使う時に便利です。
生卵
<冷凍>
全卵の場合は溶きほぐしてから、卵白だけの場合はそのまま容器に入れて冷凍します。
<解凍>
自然解凍して使います。
<保存期間の目安>
4週間
錦糸卵・いり卵
<調理して冷凍>
錦糸卵をつくる時は、まず卵をよく溶きほぐし、塩少々と水溶き片栗粉を少々加え、よく混ぜます。次に油を引き、熱したフライパンに薄く広げ、裏返して両面を焼きます。フライパンから取り出し、冷めてから、細切りにします。炒り卵をつくる時は卵を溶きほぐし、塩・こしょうを少々加えて、油を引き、熱したフライパンに流し込み、菜ばしでかきまぜながら焼きます。火が通ったらフライパンから取り出してよく冷まします。いずれも、ジッパー付き保存バッグに移し冷凍保存します。
<解凍>
自然解凍させて使用します。また、炒めものなどに入れる場合は、凍ったまま加熱調理します。
<保存期間の目安>
4週間